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スイカの作り方

自家用で畑の隅に2、3本植えたスイカでも、何十アールも専門に栽培する場合でも、スイカは果実が成らないことにはどうしようもない。
スイカの果実を確実につけるにはどうしたらよいのだろうか。

すいか 
まず雌花が着かなければ果実は成らない。
初期生育をあまり急がせないようにやや抑え気味にすれば雌花は着きやすくなる。
初期生育を抑えることは雌花を着けるだけでなく、受粉→着果→肥大開始まで続ける必要がある。 
 交配をするために、雄花も必要である。
春早い時期のトンネルや冬のハウス栽培では、雌花はたくさん着くのに雄花が少なく、交配ができないことがある。
このようなときには別に暖かいハウスなどに鉢植えのスイカを栽培しておけば雄花を得ることができる。
この場合のスイカの品種は同じものでなくてもよく、低温に強く、雄花の着きやすい品種ならなんでもよいのである。
ハウスの中にミツバチを入れたり、暖かい時期は自然のままで虫に交配させてもよいのだが、より確実に着果させるには人工交配を行う。
なるべく午前中の早い時間に、開いた雄花を用いて、当日開花した雌花の柱頭に花粉をつけてやる。
午後の遅い時間になると着果しにくくなるので注意が必要である。
  
花決めと玉決め 
交配するときに、あまり小さくて花びらの下の子房が小さく丸い雌花は、着果しにくいし、着果しても大きい果実にならないので摘んで捨て、次の花を待つ。雌花は大きくて、子房がやや長細いものがよい。
また玉決めは多目に着果させておき、卵大のときに偏型でなくやや長細い、素直に肥大しているものを残し、他は摘除することで行う。
エネルギーを消費しないで夜温を高めるので経済的ではあるが、なにしろその蓄熱量は少ないし、日照が少ないときは蓄熱も少ないから、その効用と限界を良く知って上手に利用しなければならない。
まずあまりに過信して早植えしないことである。
トンネルだけの場合は、外温の影響を受け易いから、あてにして早植えしすぎると寒波のために枯らしてしまうこともある。
通常の定植期より1週間か10日早植えできれば上々である。
サンホットなど保温性の高いフィルムと併用することも必要であろう。
ハウス内トンネルの場合は寒害を防ぐためと多少の生育の促進をもくろむ程度と考えたほうがいい。
暖房機で適温に管理できる場合とは訳が違うからである。
多少の生育の進みでも、その後の外温の上昇で生育や収穫はかなり進むものだから無視できない効果といえる。
水まくら」で冷えることもある 
人間の発熱のときの「水まくら」は勿論冷やすために使用する。
トンネル内の「水まくら」も暖めるつもりが逆に冷やしてしまうこともあるので要注意である。
先に述べたように太陽光で水を暖めるのだから、寒くて日照の少ない北陸・山陰・九州の西側のような地帯では、12月から2月ごろまでの日照の少ないときは効果が無いばかりか気温や地温を下げてしまう。
この時期なら、寒くても昼は日照が多い表日本の各地で利用すべきである。
裏日本でも3月ともなると日照が多くなる。
その時期からの利用は効果があることはいうまでもない。 
だいたいメロンやスイカの生育は温度だけで進むわけではない。
光も当然必要だから、寒くて日照が少ない北陸・山陰の栽培は冬期は育苗だけにしておいて、日照が増すと同時に植え出すのが理にかなっている。
早目に定植しても、一向に大きくならずに、その後の日照の回復時に植えだしたものと同じになってしまったという試験結果もある。 
一作の収益では、スイカはそれほど儲かるものではない。
フィルムを4重にして保温する半促成栽培でも粗収益は10アール当たり100万円ほどである。したがって温風暖房機による十分な加温など思いもよらない。
一冬に100万円の石油代を使うピーマンの促成栽培とは比べものにならない。そんなスイカでも、どうしても適温を確保しなければならない時期がある。
それが開花・受精を中心とする一時期である。

すいか
スイカはそれを我慢できない 
無理は禁物とは言っても無理をさせなければならない。無加温半促成スイカの定植初期である。
経済上加温はできないのだから、光が少なかろうが温度が高かろうが2重にも3重にもトンネル、カーテンをかけ、ハウスを閉めきって寒い時期に定植する。
少しでも早出しをすることが収益増につながるから温度優先の管理にならざるを得ない。それでも寒いものは寒い。 
かろうじてつるが伸び雌花が着いたとしても、寒くては開花結実はむずかしい。
不思議なことに寒くても雌花はよく着くのだが、雄花が不足して必要な花粉が手に入らない。
花粉の入手法は別の頃で述べたから省略するとして、こんどは交配しても受精や着果が不良となる。
やはり温度を上げざるを得ない。
我慢強いスイカもこのときばかりは寒さの我慢ができないのである。
年によっては早期の着果をあきらめざるを得ないことも生じる。
それが嫌なら保温に金をかけるか加温するか、方法は二つに一つである。 
大面積のハウス内トンネルにコモ状のものをかけ、朝夕開け閉めすることは日本の労力事情では無理である。
だから、透明で保温性の高い資材の多重被覆か、温風暖房をその時期だけ使用する。
開花期だけなので石油代は問題ではないが暖房機は必要である。
秋冬作兼用にハウスに設置しておくか、スイカ専用なら各ハウスの作期を多少ずらしておいて、暖房機を移動してもよい。 
着果が確実になったら暖房を止め、無理な多重被覆も徐々に少なくしていくが、その頃から暖かくなるのであまり低温で困ることも少なくなる。 
以上のことは、スイカ農家は知っているはずであるが、未だに、春先の寒い年は低温による着果不良が問題となっている。 
広い日本、情報が行き渡らないのか、それとも承知の上で、不完全な施設で無理な早植えを余儀なくされているのであろうか。 
スイカは本来、つるを自由に伸ばし、つぎつぎに着果していく性質を持っている。ところが人間が狭い場所でたくさんの収量をあげようとすると、つるや果実の着果を放任するわけにはいかなくなる。 
立作りや、這作りでハウス内に密植する場合などでは、果実の肥大に必要な葉の枚数を確保した後は、余分な「つる」を全部除去し、いわゆる「生長点無し」の丸坊主の姿にしていたものである。
スイカのハウスに限らず、日本のハウスは連作が続いていても、ハウスを新しい場所へ移動することは、めったに行わない。
それだけ土地も労力も不足気味であり、その結果として連作障害の発生は免れない。 
スイカの急性萎ちょうもその一例とみられる。
台木のユウガオつる割れ病も一因であったが、耐病性ユウガオ台を用い、種子消毒をすることによってこの原因が除かれても、なお発生するこの障害には、頭を抱えた産地も多い。しらずしらずの間に連作による土の老化や不定性土壌病害(病気ではないが悪条件のときに生育を悪くする微生物群)の増加が起きていたのである。
 
キュウリの整枝法に学ぶ 
連作のハウスで寒い時期に植え、無加温で4~5月ごろ収穫しようとする半促成栽培(スイカはこの作型が多い)で、大きなスイカが収穫できる10日から2週間前ぐらいに突然葉がしおれ枯れ上がってくる…、これが「急性萎ちょう」である。
当然収穫直前の果実は目前で捨てざるを得ない。
まことに腹立たしい障害である。 
土壌の悪化が原因なので、土作りや土壌消毒が根本的対策であることは言うまでもないが、これは一朝一夕にできるものではない。
そのとき参考になったのがなんとキュウリの摘心栽培である。
白イボキュウリの摘心栽培は、主枝を摘心して発生する子枝や孫枝に着果させるのであるが、枝先が伸び放題だと過繁茂状態になるので、長い枝先はまた摘心する。
この場合、全ての枝先を摘心してしまうと突然根が弱り、株全体が長持ちしなくなる。
したがって常に数本の元気に伸びつつある生長点を残しておくのがコツということを以前にワンポイント・アドバイス、「摘み過ぎはマイナス―キュウリの整枝」で述べた。
1本の苗で通常果実は1個しか着果させないが、1本のつるで葉面積を確保しようとするとかなりの長さを必要とする。
したがって果実を着けない主枝を2~3本根元から出して葉面積を稼ぐのであるが、これらの主枝も先端は摘心する。 
土が良好で根の張りがよい元気なハウスの場合は収穫まで株は十分元気であるが、近ごろは急性萎ちょうの危険をはらむハウスが多い。
そこで主枝の先端に近いところの腋芽を合計10本くらいキュウリに習って伸ばすのである。伸ばす方向を通路の反対側や、ハウスの外側にしておけばじゃまになることも少ない。 
この方法で問題の急性萎ちょうはかなり改善された。
むずかしい言葉でいえば、「生長点を残すことにより、体内のサイトカイニン活性を高め、根の発生を多くするため養水分の吸水が衰えることなく、急性萎ちょうを防ぐことができる。」ということになる。 
葉面積を増やすための着果させない主枝や、生長点確保のために伸ばす腋芽のことを「あそびづる」という。このくらい働きのある「あそびにん」もめずらしいのではなかろうか

着果後は灌水や追肥を行って、果実の肥大を図るようにする 
冬から春にかけてのトンネルや無加温ハウスでスイカやメロンを栽培する場合は、1日でも早く植えたいものである。ところが無加温であるからそれには限界があり、保温資材の被覆や水封マルチが利用される。
水封マルチは別名「水まくら」と呼ばれる。
これは、一見、冷たそうな水に日中の太陽の熱を蓄熱して、夜間にトンネル内を暖めようという日本人の知恵である。

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Author:takejii1718
定年後に始めた私の家庭菜園です。
約300㎡を4等分して季節の野菜を作っています。
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